オフィス移転 ユカは縁の下の力持ち!?

オフィス空間コラムを担当させてもらってテーマを「天井」「壁」と書いてきたので、今回のテーマは「床」の話をしようと思います。最終回かな?

オフィスにタイルカーペットというのは今では当たり前になっていますが、もともとオフィス空間といえば高度成長期に合わせて化学製品のプラスチック・ビニル系のタイルが主流となっていた時代があり、当時はオフィスの床は硬いのが一般的でした。現在、業界では定番となっているGA-100(東リ)という商品が発売されたのが1982年ですから、まだオフィスにタイルカーペットが定着してからそんなに経っていないんですね。オフィス用タイルカーペットの登場で「室内の遮音(吸音)効果」「断熱効果」「施工性の向上」などの効果が評価され、今ではほとんどのオフィスではタイルカーペットが標準で採用されています。

ここでちょっと豆知識ですが、オフィス用椅子の足(キャスター)は、二つ種類があって、「ゴム足」と「プラスチック足」というものがあります。「ゴム足」は主に硬い床用で、キャスターが滑らないようにゴムになっていて防音効果もあります。片やカーペットでゴム足を使用すると滑りが悪くキャスターが引っかかって転んでしまうというトラブルがあったので、「プラスチック足」が開発されました。床の素材によって椅子のキャスターは選べるようになっているんです。ご存じでしたか?今や標準となったタイルカーペットなので、椅子のキャスターは自ずとプラスチック足が標準となっています。おしゃれなオフィスが増えてくると、この標準のカーペットを張り替えてフローリング調にすることもよく見られますが、そこに配置する椅子は足の材料を検討したほうがいいかもしれません。例えば、フローリングにしたエントランスの受付に置く椅子。プラスチック足だとシャーシャー音が出ますが、ゴム足にすれば音が出なくて高級感が増します。

突然ですが、
「ユカがへこんでいる。」
と、女性社員が!
オフィスでなにかあったんでしょうか?セクハラ?パワハラ?

さて、OAという言葉ももう死語になりつつありますが、今となってオフィスはほぼOAフロアになっています。(OAってオフィス・オートメーションの略だって知っていました?)Yがこの業界に来た頃はまだコンクリートに直接材料を張るオフィスがほとんどでした。
電源やLANケーブルをどうしていたかというと、床に這わせてモールで保護していましたが、椅子の足が踏んでボロボロになるし、歩くときには蹴っ飛ばして邪魔になるので、その配線ルート(モール)の検討をするには設計のセンスが必要でした。
当初は多少の配線が入るスペースがあればよかったので、5㎝程度のかさ上げでほとんどの配線は格納できましたが、インターネットの急速な普及によって一気に床下のケーブル量が増えることになり、大きいところでは最低でも15㎝はないと配線で床が膨らんでしまうケースも多々出てくるほどでしたが、このOAフロアは必要性によって一気に普及することになりました。

ここでひとつ問題になってくるのが、共用廊下(配線する必要がないので、ほとんどのビルではOAフロア化されていない)との段差解消です。5㎝であれば、小さなスロープを付ければ済みますが、10㎝を超えてくるとこのスロープが巨大になってきます。
また、テナント入り口の前で段差解消しようとすると、ビル標準のドアを改造して高い位置に設置しなければならなくなるので、必然的にテナントエリア内で段差解消をしなければならずレイアウトの制約が大きくなる厄介な問題となって我々の設計チームを困らせていました。
新しい設計のビルになるとこの点が考慮され、オフィスエリアはもともと床が下がってOAフロア化する設計も採用されてきたので、この問題は解消されつつありますが、床下がどうなっているかもオフィスを選ぶ時の重要な検討事項となっています。
じつはOAフロアの問題はまだあります。OAフロアの歴史は実はタイルカーペットよりも古く、1960年代までさかのぼります。
まずは電算室(今ではサーバールームという名称が一般的ですね)に採用されますが、オフィスエリアのOAフロア化が一般的になってくるのはその10年後です。GA-100の登場ともマッチしますね。そのころの商品はまだ実績がないため、耐久性や品質が確立されておらず、もう40年選手になるであろうOAフロアは経年劣化でガタが出てきているものもあります。改良が進んで安定した品質のものが出てきたのはここ数年のことなので、OAフロア化されていても古いビルの場合は要注意だったりします。

先ほどの女性社員のところへ行ってみると、OAフロアのパネルが、撓んでしまいガタガタしています。
みんなに踏みつけられても黙って耐え忍んでいるユカちゃん。
もしかしたらへこんでいたり、(へそを)曲げているかもしれないので、たまには目を向けてメンテナンスしてあげてください。

エンジニアリング部/Y・H