オフィス移転 見上げてごらん、オフィスの天井を。

POINT
  • 働く人々の命を守る役割を担う、オフィスの天井
  • 「イメージと違う!」天井の見落としによって起きる悲劇
  • オフィス移転のプロに任せて、理想の職場を作り上げる

働く人々の命を守る役割を担う、オフィスの天井

移転等で新しいオフィスを探す際、貴社ではどのような基準で物件を選んでいますか?通勤に便利、業務の拠点として最適な場所にある、社員全員が快適に働けるスペースが確保できる等々オフィスに求める条件はさまざまですが、設備面のチェックも絶対に外せないポイントです。

とくに盲点となりがちなのが、オフィスの天井です。照明や空調などは日常的に使用している設備のためイメージしやすいと思いますが、それ以外にも天井に付帯している設備というのは実に多いもの。大きなビルになればなるほど災害時の避難対応が重視され、無数の防災設備が天井に備えられているのです。

代表的な防災設備の1つ目は、「誘導灯」。避難時の経路を示す白地にグリーンの矢印で、どこに居てもどの方向に逃げればいいのかが一目でわかります。優秀なピクトグラムの代表例といってよく、1970年の熊本デパート火災による法改正で誕生したものです。
次によく見るのは「煙感知器」です。煙を感知することでいち早く火事に気づくためのセンサーで、キッチンや喫煙ルームなどもともと煙が発生する場所では利用できません。その際は、温度で感知する「熱感知器」の設置が義務付けられています。
3つ目は「スプリンクラー」で、形は煙感知器に似ていますが、火災発生時の一次消火のために放水するノズルが付いています。つついたり物をぶつけたりしてノズルが開いてしまうと、部屋中が水浸しになってしまうため要注意です。水がかかってはいけないサーバールーム等では利用できないため、他の一次消火法を検討しなければなりません。

以上の3設備の他にも「非常照明」や「非常スピーカー」、「防煙垂れ壁」など、たくさんの種類の防災設備を備えているオフィスの天井。白く無機質なデザインが多いため、あまり着目することはないかもしれませんが、実はオフィスで働く人々の命を守る重要な役割を担っているのです。

「イメージと違う!」天井の見落としによって起きる悲劇

多くの場合、オフィス移転を検討中の企業の方は、新しい拠点のイメージに妄想を膨らませているはずです。「新オフィスでは、完全に仕切られた打合せブースを5カ所は設けたい」「窓に面した一番いい場所に社長室を作りたい」といった具合に夢は広がりますが、その夢を叶えるためにまず見てほしいのが、オフィスの天井なのです。

広い空間に間仕切り壁を建てて独立した部屋を作る場合、天井の防災設備は一部屋にワンセットずつ必要になります。つまり部屋を細かく区切れば区切るほど、防災設備の数を増やさなくてはならず、当初予定にはなかった追加費用が発生。予算をオーバーした分は個室の数を減らすか、内装のグレードを落とすなどして調整するしかなく、「イメージしていたオフィスと違う」という悲劇を招きかねません。

また、天井板を張らずに、梁などの躯体をそのまま活かした天井はスケルトンと呼ばれ、スタイリッシュな空間が演出できるため、飲食店などでとくに人気の建築方法です。アメリカをはじめとする海外ではこのスケルトン天井がオフィスでも一般的で、日本のオフィスにも取り入れたいとお考えの方もいるかもしれません。

しかし、日本ではオフィスの引き渡し時に天井を張った状態がノーマルであり、床壁天井がきちんと仕上がった状態のことをオフィス業界では“スケルトン”と呼ぶことがあるため、少しややこしいのです。オフィス業界のスケルトン天井を従来の意味でのスケルトンにするためには、張ったばかりの天井をわざわざ壊さなくてはならず、当然解体・撤去費用がかかってくる点にも注意が必要です。
では、最初から天井を張らないよう頼んでおけばいいように思えますが、日本のオフィスでは天井がある状態で設備検査をすることが通例になっているため、そうもいきません。さらに天井の隙間空間を冷暖房のダクト代わりに利用している場合は、そもそもスケルトンにすることが不可能で、引き渡し後にビルの仲介業者とテナント側で揉めるケースも多々あります。

オフィス移転のプロに任せて、理想の職場を作り上げる

以前、個人オーナーが所有する古いビルに、あるお客様のオフィスを移転させるお手伝いをさせていただいた時のことです。前のテナントが出た後に消防の検査があり、現場に着いた検査官がおもむろに天井の点検口を開け、ちらっと中を覗いただけで「消防法に違反している材料が使われている」と指摘してきたのです。調べるとたしかに不燃材を用いなければならない場所に、準不燃材が使われている。おそらく前のテナント工事の際に消防側が気づいたものの、何らかの理由であいまいになったのではないでしょうか。消防も指摘するタイミングを伺っていたのかもしれません。

こういったケースではビルオーナー側の負担でやり直すのが普通ですが、約款には引き渡し後はオーナーはいかなる責任も問わないとあり、結局工事費は折半になってしまいました。やはり、契約前に約款を徹底的に読み込んでおくことはとても大切です。とくに大手デベロッパーが関与しない、個人所有のビルの中古物件を契約する場合は、何が書いてあるかわからないと疑ってかかったほうがいいでしょう。

このように、オフィスの天井に関連する事項にはさまざまな注意点や落とし穴があり、すべてを見抜くのは非常に困難です。我々のようなオフィス移転のプロにお任せいただければ、専門的な視点でチェックいたしますので、抜け漏れがなくスムーズに移転を完了できるでしょう。当社の施工管理者は全員が「防火安全技術講習」を受ける予定です。貴社の理想のオフィスを作り上げるためにも、防災の知識を有した専門集団である当社に、ぜひ一度ご相談ください。

エンジニアリング部/Y・H