働き方改革 理想の職場環境を体感!~アメリカのオフィス視察を終えて~

POINT
  • No.1オフィスはシアトルのスターバックス本社
  • 地球環境にも、働く人の健康にも配慮したオフィス
  • 文化や考え方の違いに刺激を受けた「Neocon」

No.1オフィスはシアトルのスターバックス本社

先日、現地のオフィス事情を視察するため、アメリカに一週間ほど滞在する機会がありました。シアトルにあるスターバックス本社と、設計事務所2社、他にシカゴで開催される世界最大のオフィス家具展示会「Neocon」を訪れてきました。

オフィスは3社ともすばらしい環境で、とくにスターバックス本社の福利厚生の充実度と、社会貢献に対する意識の高さに感銘を受けました。スターバックスでは社屋内に広いスポーツジムを設け、従業員はいつでも好きな時に体を動かすことができます。さらにフロアごとに淹れたてのコーヒーをいただけるカフェがあり、もちろん何杯飲んでも無料。ソファ席でコーヒーを飲んでリラックスしながらPC作業をしたり、仕事のアイデアについて同僚と語り合ったりする光景があちこちで見られます。自分のデスク以外にも仕事ができるスペースがたくさんあって、すごく自由な空気感に満ちていました。

また同社は、退役軍人の雇用や、スターバックスの店舗でアルバイトした学生への学費支援など、社会貢献にも積極的です。シアトルは歴史的に自然と人を大事にする風土がある街ですが、スターバックスという企業はその精神を最も体現しているように感じました。とにかく“人にやさしい会社”という印象です。

設計事務所のうちの一件は、あのAmazonの球体オフィス「スフィア」を設計した会社です。2社とも設計・デザインを専門に手がけているだけあって、自社オフィスもとことんスタイリッシュで機能的。広々とした作業スペースには、建物の模型やデザイン画などが展示され、プロジェクトの進行具合を手書きした大きな模造紙も張られていました。学校の文化祭のような楽しい雰囲気でありながら、プロジェクト初期のコンセプトやブレインストーミングの結果を思い出せる貴重な場にもなっています。他のクリエイターの作品から刺激されて、新しいアイデアが生まれることもきっと多いのでしょう。

地球環境にも、働く人の健康にも配慮したオフィス

今回訪れた3社すべて、社屋のビルがLEED認証を取得しています。LEEDとはアメリカに本部を置く「世界グリーンビルディング協会(GBC)」が開発した評価システムで、省エネと環境に配慮した建物および敷地に与えられる認証のこと。当社は同じGBCが運用するWELL認証(※)の予備認証を取得しており、私は担当者として取得までの準備等で長くWELLに携わってきたため、視察でもついWELL目線であれこれ見てしまいました(笑)。
今回の3社はWELLは取得していないものの、LEED認証にふさわしいすばらしいオフィス環境で、すぐにでもWELLも取れるだろうなと感じました。たとえば、廊下に給水ポイントがあって、いつでもマイボトルに飲料水を汲めるところや、すべてのトイレに手をかざすと一枚ずつ自動で出てくるペーパータオルが設置されていること、アレルギーがある人でも安心して使える医療用のハンドソープが備えられていることなど、オフィスで働く人の健康に配慮した工夫がたくさん見られました。

スターバックス本社にはスポーツジムがあると前述しましたが、アメリカでは職場にジムがあるのが当たり前なんです。さらにスターバックスでは、会社に来ない日に自宅近くのジムを利用した際も補助金が出ますし、毎週金曜日はリモートワークを推奨してワーク・ライフ・バランスにも考慮しています。

さらに、社員食堂が充実しているのも印象的でした。人種や宗教にとらわれず誰でも食事が楽しめるよう、ハラルやベジタリアンメニューが用意されていて、これも多様性のある人々が共に暮らすアメリカならではの工夫でしょう。ちなみにどのオフィスにも日本人の従業員の方がおり、皆さんが現地でいきいきと仕事に取り組んでいる姿がとても印象的でした。

  • 人々の健康とウェルネスに焦点を合わせたビルト・エンバイロメント(建築や街区の環境)の性能評価システムのこと。清和ビジネスは東京本社オフィスで2020年2月取得予定。

文化や考え方の違いに刺激を受けた「Neocon」

一方、オフィス家具の展示会Neoconでも、働く人の健康に焦点を当てた製品を多く目にしました。すべてのメーカーが電動式昇降デスクを出展しており、使う人の体格や作業内容に合わせてデスクの高さを自由に変えられるようになっている。デスク幅もだいたい1600くらいで、日本の平均的なサイズである1200幅のものよりもかなり大きく感じました。チェアは肘掛けが付いているものが主流で、PCを使う時は肘掛けがないと正しい姿勢が保てないと、人間工学的に実証されているそうです。

また、会議用のテーブルは真四角ではなく、波型やボートのように先がとがったものなど変形テーブルがたくさんありました。四角いテーブルできちんと向き合って話すよりも、目線がずれたほうが、緊張せずに話せてコミュニケーションが円滑になるのだとか。たしかにきちっとした四角いテーブルに着くと、発言する人としない人がはっきり分かれてしまう気がします。

オフィス内の植栽は本物へのこだわりが強く、フェイクグリーンはほとんど見られません。ホワイトボードの裏に植栽を入れたり、間仕切り壁にも不織布でできたポットを設けて植物を植えたりと、ユニークなアイテムが見られました。日本では本物の植栽を使うと虫が出ることを心配しますが、アメリカでは「虫が出るのは、植物が元気ってことじゃない!」とポジティブにとらえるようです。

文化の違いや考え方の違いに大いに刺激を受けることができ、大変充実したアメリカ視察でした。現地で得たアイデアや工夫を、日本のオフィスにも活かせるようなご提案をしていきたい、と心を新たにしています。

働き方研究室/F・T