オフィス家具 オフィスの机と椅子

POINT
  • 机と椅子にこそ、気を配るべき
  • 椅子と机にお金をかける理由その1
  • 椅子と机にお金をかける理由その2
  • 椅子と机にお金をかける理由その3

机と椅子にこそ、気を配るべき

仕事をする上で、いや人間が生活をする上で欠かせない家具のひとつが、机と椅子でしょう。私たちの仕事のほとんどがPCで行われるこの時代、オフィスもまたPC作業が前提の場所になり、それに適した机と椅子が求められる空間になりました。それはただ単に物が置けて、腰が置ければよいわけではありません。机と椅子にこそ、私たちオフィスワーカーがより一層の気を配るべきポイントがあるのです。

椅子と机はオフィスに置いて社員が一番長く使用する備品です。自販機やコピー機なんて比較になりません。出社から退社するその瞬間まで、数時間にわたって使用するものですから、当然、私たちはそこに一番お金をかけるべきであり、そこに異を唱えるオフィスワーカーはいないはずです。ところが、実はオフィス構築時には、椅子と机は「なるべく安いもの」を選ばれがち…いったいなぜでしょう?

まずひとつに、椅子と机はオフィスで一番数を占める備品だからです。ほとんどのオフィスの場合、椅子と机のセット数は従業員数に等しいでしょう。100人務めるオフィスならばセットで100台。そこで椅子一台1万円安いものを選べば100万円の予算が浮くという計算になります。特に予算の厳しい場合において、真っ先にグレードを落とされやすいのは椅子と机なのです。
次にその効果が「外に分かりにくい」からです。椅子性能のグレードを1つ上げたとして、来客にそれが見抜けるでしょうか?「おおっ、こちらでは有段階ピッチ固定機能付きのチェアを使っているのですね」…そんなセリフを聞ける日がこの地球に訪れることはありませんが、これがエントランスの壁となれば話は別。「木目が良い雰囲気ですね」これなら明日にでも訪れる可能性はありそうです。対外的に効果が見込める=お金をかける意味が表れやすいと考え、逆にこっそりお金を節約できる部分としてオフィスチェア/デスクに白羽の矢が立つのです。

しかし私が主張したいのは、「椅子と机にこそ、一番にお金をかけてほしい!」ということ。これからその理由を3つ続けますが、読み終わるころにはきっとあなたも、今座っているその椅子の座り心地を考えているはずです。

椅子と机にお金をかける理由その1

まずはもちろん、「オフィスで一番利用時間の長い備品だから」です。先ほども述べましたように、オフィスに存在するあらゆるものの中でも、卓出して利用時間/機会の多い備品、それが椅子と机です。これに勝るものといえば、恐らく”床”くらいのものでしょう。オフィスにきて椅子と机を使わない人はいません。であるからこそ、これらにはお金を使うべきなのです。

さて、私たちは多くのお客様のオフィス移転をお手伝いしていますが、そのほとんどの場合において「解決したい課題」があります。なんとなく引っ越したいという方はおらず、「社員が増えたから」「ペーパーレスにしたいから」「働き方を変えたいから」といった理由があるのです。ですから私たちも「引っ越しをして問題は解決されましたか?」という満足度を非常に気にかけます。もちろん、それを評価するのはオフィスを利用する社員の方々。オープン初日は私たちも(そしてご担当者様も)新しいオフィスは本当に気に入ってもらえたかな?というドキドキでいっぱい。少なくないお金をかけるのですから、そりゃ満足してほしいってものですよね。

では社員の方の満足度に影響しやすいものなんでしょうか?それはもちろん、普段から使い慣れていて、オープン初日から誰もが利用して、それぞれが一家言を持っている…もうお分かりですね。椅子と机です。エントランスを豪華にしたり会議室の壁をおしゃれにしたりするのも良いですが、利用者の目というのは、もっと直接的で個人的なところにあると心得るべきです。逆に、私たちプロジェクトの実行者は鷹の目でオフィスを見ますので、ついつい考えも俯瞰的になりがちだということも覚えておくべきでしょう。

椅子と机にお金をかける理由その2

それは椅子と机は「作業ツールのひとつだから」です。オフィスとは、一貫して生産性のためにあるといっても過言ではありません。どんな企業でも、オフィスは生産性を向上させるために構築され、また生産性を向上させるよう家具を選び、レイアウトを決定するのです。あらゆる造形は、より生産性を向上させるためにデザインされ、適応されます。カフェエリアを作るのだって、適度なリフレッシュによって社員の作業が洗練されるということが実証されているからに過ぎません。壁に絵を飾るのだって、オフィスを少しでも過ごしやすい空間にすることで、ストレスフリーな環境で働いてほしいからです。

しかしそれらの試みはすべて、作業をするツールが完璧に機能していることが前提となっています。どんなに素晴らしいインテリアに仕上がったとしても、PCが30年前のスペックではまともに仕事はできません。電話機が黒電話でも困ります。まずは仕事をする上で必要なツールを、必要なレベルにまでそろえる必要があるのです。そして椅子と机とは、もはやインテリアの分類から作業用ツールの分類へと踏み込んだ存在であるといえます。

2020年4月、日本中をコロナウィルスが襲い、多くの企業が在宅勤務の必要に迫られました。この記事を読んでくださっているあなたも、家で仕事をした経験があるかもしれません。在宅勤務の弊害として特に大きく取り上げられたのが「椅子と机」に起因する健康問題でした。自宅の椅子はあくまでホームインテリアとしての椅子であり、長時間PCに向かっての仕事には向いていなかったのです。日本中がオフィス家具の性能に改めて注目した瞬間であるといえるでしょう。もしも椅子と机がインテリアデザインの領分だったら、すなわち「あれば仕事がより促進される」程度のものだったら、在宅勤務で問題になることはなかったはず…ところが椅子と机は既に仕事を支える立役者の一人となっています。もはやカフェスペースや壁紙といった「デザイン」というよりも、それはPCやスマホといった「ツール」と同じステージに立っているのです。ダサいオフィスでも仕事はできますが、ツールのないオフィスではできません。木目をおしゃれにするより先に、こういった仕事の基盤を整えることは、オフィスの利用者にも理解を得られやすいことでしょう。

椅子と机にお金をかける理由その3

それは、「座ればわかる」。まるで説明を諦めたように思われるかもしれませんが、これは本当なんです。私たちはたびたび、お客様を家具ショールームへとご案内して、実際に目に見て手に触れて家具を選定します。その時、一番感動が大きいのが椅子のエリア。ひとたびハイグレードな椅子に座れば「むむっ!」と表情が変わり、ぜひこの椅子を入れてくれ!と計画が変わることも少なくありません。私たちは椅子や机をカタログで見て、ついついそのままに座り心地を想像して、判断しがちです。ところが、どんなにおいしい料理だってメニュー表だけでは味が分からないように、どんな椅子だって座ってみないとその本当の座り心地は分からないもの。そして、現代のオフィスチェアとはまさに科学の叡智の結晶、多くの場合、あなたの想像をはるかに超えた座り心地を提供してくれることでしょう。床材や壁紙をあれこれサンプルを出したところで「うーん、まあどちらかと言えばこっちかな?」なんて答えが返ってくる方でも、椅子に関しては「こっちだな!」と即答をする、なぜなら椅子と机を使ったことがない人はいませんし、その座り心地の良し悪しが分からない人もいません。それが椅子であり机なのです。

ひとつひとつ手作りされたオフィスシーティング(そう!ハイグレードなオフィスチェアは手作りなんです!)は、本当に腰や肩の苦痛からオフィスワーカーを開放してくれる存在です。また適切な広さの机は作業効率に直結する指標です。それはPCのスペックやインターネット回線の速さなどに並ぶ、オフィスで働くうえで欠かせないツールでもあります。ぜひこれからオフィスの構築を考えるならば、一番お金をかけるべき場所のひとつとして、このことを覚えておいてほしいと思います。

WPD/S・O