オフィスデザイン 「デザイン」ってどういう意味?~前編~

POINT
  • あれこれ悩むオフィスデザイン。「全部お任せください!」って本当?
  • かっこよくて使いやすいオフィス=「良い」オフィス
  • 建築において、予算は「絶対に」足りない

あれこれ悩むオフィスデザイン。「全部お任せください!」って本当?

オフィスの改修を心に決め、いろいろなオフィスデザインを調べているうちに、この記事へとたどり着いたあなた。迷路にとらわれてはいませんか?
ちょっと検索するとかっこいいオフィス、使いやすそうな会議室、すっきりした書庫などなど・・・いろいろな事例がたくさん出てくるけれど、見れば見るほどゴールがぼんやりとしてしまって、完成した姿を想像できない。思い切ってプロにお願いしてしまえば、きっとカッコいいオフィスになるんだろうけど、みんなは気に入ってくれるのだろうか。というかそもそもこれって本当に使いやすいの?かっこいいのもいいけど、やっぱり使いやすさが一番だよね。いや、それよりもいくらでできるんだろう、これ…とかなんとか。

その気持ち、とてもよくわかります。そして安心してください。オフィスの改修を考えるほぼすべての担当者が、同じことを思っています。そしてもっと安心してください。それは全くの杞憂、思い過ごしです。そんなお悩みに時間を無駄にするくらいなら、心配ご無用、全部清和ビジネスにお任せあれ!

…で本当は済んでしまうのですが、今回は「一体どうして心配ご無用なの?」という疑問の声にお答えいたしましょう。

かっこよくて使いやすいオフィス=「良い」オフィス

オフィスデザインの事例、とてもかっこいいものばかりですよね(だから事例に選んでいるわけなんですけど…)

かっこいいオフィスを見て「ほんとにこんなところで仕事できるの?」と思われるのは、もっともなことです。オフィスの改修には少なくないお金をかけるわけですから、いくらかっこよくても使いづらかったら誰だって嫌なもの。
実際にデザインのお仕事が始まっても、こうした「かっこいいのは夢があっていいけど、使いづらかったらねえ…」という“理想と現実トーク”をよく耳にします。ですが、もしあなたがオフィスを理想か現実か?のふたつにひとつで考えているならば、ちょっと待ってほしいのです。
それって本当にそうでしょうか?

そもそもデザインという言葉、どういう意味なんでしょう。辞書でdesignをひいてみれば、こうあります。

1〈絵画などの〉図案を作る; 〈建築・衣服などを〉デザインする,設計する.
design a dress ドレスをデザインする.
2 計画する,立案する; 企てる.
The author designed a good plot. 作者はよい筋を考案した.

そう、デザインにはそもそもふたつの意味があるのです。ひとつは「意匠」、もうひとつは「計画」、例えばファッションデザインとキャリアデザインは、同じデザインという言葉を用いますが、その意味は全く異なります。ファッションデザインは「意匠」の意味合いが強く、キャリアデザインは「計画」の意味合いが強いといえるでしょう。実はこれら〇〇デザインという言葉は最近生まれたもので、本来デザインというのは意匠と計画のどちらも担うものでした。その「デザイン」という概念が日本に入ってきたときに、ばっちり当てはまる訳語がなかったので、意匠だとか計画だとか訳されるようになったのです。

デザインが意匠と計画を同時に担うとは、どういうことでしょうか?例えば意匠の問題だけをクリアしたファッション、これはいうなれば「めちゃくちゃおしゃれだけど全然暖かくないコート」…これでは優れたデザインとはいえません。デザインとはつまりそういうことなのです。おしゃれで、機能的。見た目もかっこよくて、暖かいコート。プレゼン資料を作った経験がある方なら、きっと理解していただきやすいことでしょう。どんなにスタイリッシュでも、読みにくくわりにくいプレゼンシートは、優れているとはいえませんよね。
オフィスデザインだって同じです。かっこよさか?使いやすさか?このふたつにひとつを解決するデザインは、決して良いデザインではないのです。本当に「良い」オフィスとは、かっこよくて使いやすい!これに限ります。

ここで、オフィスデザインあるある話「机の丸・四角問題」を紹介しましょう。最近オフィスにちょっとしたカフェエリアを作るのが人気です(もちろん弊社にお任せを!)。カフェエリアに置くテーブルを丸くすれば、カフェらしい柔らかくて暖かい雰囲気を生み出すことができます。ところが丸いテーブルというのは何かと使いにくく、特に四人で囲んで使うためには四角いテーブルよりもさらに大きなサイズが必要になります。雰囲気をとるか?広さをとるか?悩ましい問題です。

こういったケースは山のように見られます。「収納書庫を増やすか?見通しを良くするか?」「リフレッシュスペースを増やすか?執務スペースを増やすか?」そして「フリーアドレスにするか?固定席にするか?」。私たちはそれらをひとつずつ解決していくわけですが、そのときお客様からぽろりとこぼれるのがこの言葉。「これだとデザインはいいんだけどね…」まさにデザイナー魂に火が付く瞬間!意匠も計画も解決してこそのデザイン、あれかこれかではなく、あれもこれもそれも詰め込んでやろうじゃないの!というのがオフィスデザインに求められる姿勢なのです。
ですから、もしあなたが理想か現実かとお悩みならば、その時点でデザインにはあなたを裏切る準備があります。ひとまずはその問題に答えを出すことを焦らず、あれもこれも…と考えうる問題と不安を抱えたままで結構です。まずはお話をお聞かせください。

…それでもまだ不安がある?ならば、次に話すべきことはひとつしかありません。それはコストです。
コスト、つまり予算は、仕事をする上で常に重要な要素となるもので、どんな仕事もこの話題を避けては通れません。デザイナーの提案が終わるか終わらないかのところで「で、いくらなの?」と言いたくなるのは、なにもオフィスに限った話ではないのです。

建築において、予算は「絶対に」足りない

さて、最初にお伝えしますが、なにはともあれ、あなたの予算は足りません。安心してください。いつだって建築に予算が足りることはないのです。一室の部屋からビル一棟まで、西洋の遺跡から東洋の国際競技場まで。古今東西、建築予算が足りることはありませんでした。いったいなぜ?

たとえば、あなたの部屋をリノベーションするとしましょう。これは極端な話ですが、あなたは金でできた壁一面に、ゴッホの絵を飾ることだってできます。さらに家具をルイ・ヴィトン製の特注にしたい?結構。もちろんメンテナンスサービスは別料金ですよ。このように、建築において「これ以上お金をかけられない」という状況がどれほどトンデモないことであるか、お分かりいただけるでしょう。また逆に無駄を全部そぎ落として、板を6枚組み合わせただけの箱を部屋と呼ぶことだってできます。これは「これ以上お金を節約できない」という、これまたトンデモない状況を指します。あなたはこの金塊と箱の間を、お財布と相談しながら自由に調整することができ、まさにそれが建築に予算が足りない理由…つまりその調整に際限がないので、例えいくらで建築したとしても“適正予算”とはいえない、というわけなのです。

もう少し具体的にご説明しましょう。さあ、いまあなたの部屋の設計が完成しましたよ。全体的に満足のいく仕上がりですが、予算があと1万円だけ残っています。「せっかくならその1万円で…」そう、デザイナーはいうでしょう。「壁紙の木目をもう少しリアルにしましょうか?それとも天井がよろしいですか?」。どちらを選択しても、あるいはどちらも選択しなくても、建築には常に予算が足りないことを証明してしまいます。これは2万円かけて両方選んだとしても、同じことです。よぎるのは、もう1万円あれば床も?テーブルも?照明もできた?…せっかく満足のいく部屋ができたというのに、なんだかモヤモヤしますよね。

しかしここで知っていただきたいのは、壁に1万円かけるのと、天井に1万円かけるのとでは、表れる効果が違う。つまり、壁と天井の1万円には差があるということです。建築における“お金のうまい使い方”とはまさにそれであって、「何にお金をかけ、何にかけないか」、同じ1万円を出すならより効果的な使い道、いわゆる費用対効果を考えよ!ということなのです。
実はこれ、某大手ゼネコンの設計士から教えてもらった、とっておきの秘策でして…そのキーワードは「TDQ」!ああ、少し長くなってしまいました。続きは後編でお話しすることにしましょう。待ちきれない?もちろん。私もです。あなたからのご連絡、お待ちしております。

WPD/S・O